#なびるな世界一周 へ行く〜第1話タイ編〜

#なびるな世界一周

 我々は枷を負っている。

 こう書き出すと仰々しいが、なんてことはない。枷というのはただのお面だ。

 観光地に行く先々でお面を被って動画を撮る、それだけの話だ。

 今回の旅行に際し、私はとあるNewギアを導入した。

 「360°カメラ」だ。

 360°カメラというのはその名の通り、カメラを中心に360°まとめて動画が撮れるという素敵ギアだ。

 私が購入したのは「insta360 X3」。

 製品ページ(案件ではない。案件くれ):https://www.insta360.com/jp/product/insta360-x3

 360°カメラといえば、insta360かTHETAだが、旧型のinsta360を触ったことがあったので、手慣れたこっちを選んだ。

 ニコライの部屋で旅行の様子の360°動画をあげているので、興味のある人は除いてみてくれ。 

 旅動画再生リスト:https://youtube.com/playlist?list=PLGTbX0uD5RCPlUaYV7QwBHF8xY_rXSIvt

 今更だが、ボクの所持するカメラでボクが撮ってるのにニコライさんに動画投稿させてるの意味がわからんな。楽だから助かるけど。

 360°カメラには多くのメリットがある。

 もちろん、360°撮れることが一番のメリットなのだが、私がそれよりも重視したのが雑に撮影ができるということだ。

 一般的なカメラやスマホであれば、動画を撮る際、撮りたい場所を注視し画面越しに風景を見る必要がある。

 しかし、360°カメラの場合は自撮り棒的なやつを頭の高さくらいに適当に持って歩くだけで撮影ができるのだ。こうすることで、実際に見たい風景は自分自身の目で見ながら、撮影を続けることができる。

 これはすごい便利だ。私はもともと、旅行に行ってもほとんど写真を撮らない人間だ。一人旅ならまだしも、グループで行ったら、もうまったくと言っていいほど撮らない。カップルでは旅行に行ったことがないからどうなるかわからない。うるせぇ、だまってろ。

 それは偏に自分は旅行に来ているのであって、写真を撮りに来ているわけではないという意識と、単にカメラを構えて撮るのが苦手だからだ。

 しかし、この360°カメラってやつはそのマイナス点を同時に解決してしまう。

 本当にすごいことなんですよ、奥さん。「別に360°とかいらないし」って思ってる人もこの楽さを覚えたら抜け出せねえよ、ヤクみたいなもんっすよ、あひぃ。

 事実、今回の旅でも旅程のテンポを崩さないまま、かなり多めに動画を撮ることができている。すばらしい。買ってよかった、ドラッグゆたか。

 しかし、もちろんデメリットもある。

 まずは容量がでかいという点。5分くらいの動画でもすぐに数GB食ってしまう。

 一日撮影するとだいたい50〜100GBくらいのペースで容量を圧迫する。この度は一ヶ月半だから、4.5TB使用する可能性があるわけだ。と、皮算用して5TBのHDDを持参した。今のところ、想定通りのペースでことは進んでいる。

 次に、編集が面倒だということ。360°で撮ったままで自分は見れるので特に不都合はないのだが、360°動画というのはまだまだ普及しておらず、他人と共有する際、2Dに出力する必要がある。実際、読者諸君の中にもYouTubeに360°動画が上げられることを今回、初めて知ったという人も多いのではないだろうか。

 その2D編集作業が面倒なのだ。視点固定や、対象物追っかけなど、様々な補助機能はついているのだが、それでも動画を見るためにワンクッション、編集の手間が増えるというのは面倒だ。これは撮影を雑に手抜きできる代償だということだろう。

 最後のデメリットは360°すべて撮れてしまうということだ。

 「お前は一体なにを言っているんだ?360°カメラの言葉の意味を知ってるか?広辞苑持ってきてやろうか?」などと言わず、まぁ聞いてくれ。

 360°動画の中には必ず、撮影者が含まれてしまうのだ。これは顔出しYouTuberではなく、個人情報をネットに晒すなんて愚の骨頂と教育を受けてきた古き良きネット住民である私からしてみれば、もうあまりにもデメリット。

 今回の旅行でも、360°で撮るはいいけど、なんか対策しないとそのまま公開はできないし、めんどくさいなぁ、と思っていた。編集して顔隠しのスタンプするとか。でも360°動画に顔追従でスタンプするソフトなんてあるのか?考えるだけでめんどくさい。

 で、結果、直接顔を隠すか、背後からのアングルで顔が見えないようにしようと思った。

 幸いにも、私にはウルトラマンタロウのお面といういつも使っているアイテムがある。ただ、ニコライさんはどうしようかなぁ?

 と、悩んでいるところ、とある方面から餞別が届いた。届いてしまった。届かなければ良かったのに。それは餞別という名の呪いでもあった。

 「社長のお面」だ。

 つまり、これを被って動画を撮れということだ。

 確かに、我々はお面を欲していた。ただ、社長のお面かよ。

 しかも、このお面、目に穴が空いてねぇ!!!

 A氏いわく「アイマスクマスク男はアイマスクしてるから目に穴があるのは解釈違いかな」とのこと。もっともな意見ありがとうございます。安全ピンで小さい穴をいっぱい空けました。

 そんなこんなで360°動画を撮る際に、要所要所で社長のお面を被って皆さんに共有することになったわけですが、このお面が穴を空けたとはいえ、視界が悪い。しかも、社長のお面で動画を撮ることが目的になってしまう。

 あ、あれ???360°カメラのメリットは自分の目で景色を楽しめることだったはずなのに、もしかしてメリット消滅?死神代行消失編???

 旅行のテンポも?悪くなるし?

 だが、このお面のおかげで皆さんに楽しい動画をお届けできているのも事実。海外だし、周りの目を気にする必要も特になし、旅の恥はかき捨てとはよく言ったもので。

 そうやって、探り探りながら、撮影のスタイルを導き出して行ったのが、旅の初日、水上マーケット・鉄道市場だ。初日の動画の時間がやけに短いのは、単にスタイルを決めきれていなかったからなんだな。

 このあとは余裕よ、余裕。

 

 しかし、またここで我々の目の前にトラブルが発生するのだった。

 2日目、バンコク三大寺院巡り+アユタヤ巡り。

 ガイド付きツアーである。ちなみにニコライさんの動画の情報はガイドさんからの情報の横流しも多々ある。逆に自分で調べていることも多いので、動画を作りながら二人でへぇーって言ってる。

 実は初日は参加者が少なく、我々二名だけだったのだが、ガイド会社も生活がかかっているし、いつまでもそんなコスパの悪いことをしてはいられない。

 バンコク三大巡りには他のツアー参加者がいたのだ。

 そう、一人旅のおばちゃんが。

 一人旅のおばちゃん……この二つ名を聞くだけで、何が起こるかは容易に想像できるだろう。

 自由散策時間に付いてきてしまうのだ。おばちゃんが。

 これは困った。

 社長のお面が被れないではないか。

 仮に無理やり被ったとしてもおばちゃんが映ると流石に動画としてよろしくない。

 じゃあ、事情を説明して離れてもらえばいいじゃない?と思うかもしれないが、よく考えてみろ、説明したいか?この状況?

 だいたい、YouTubeに上げますとさえ言いたくないのに、「これは一緒に旅行に来ることができなかった友人が、自分の顔を隠している画像を、無断でお面にしたものを、別の友人より託されたので、ネット上で笑い者にすべく、YouTubeに投稿する用の360°を撮る際に被るものです。その為、申し訳ないですが、このお面を被って撮影している時は、視界から外れていただけないでしょうか?」などと言えるか?しかも、微妙に複雑でわかりにくい説明だし。

 一般人には他人を晒し者にするために他人が嫌がることをやるという発想は自然と出てこねえんだよ。

 しかし、おばちゃんは付いてくる。

 しかたがないのはわかる。だってツアーはおばちゃん含めて3人なのでボクらが無視したらおばちゃん一人だもんね。でもなんとかうまいこと社長になってる間はどこかに消えてくれんか?説明したくないんだ。お面姿は最悪見られていいけど、代わりにちょっとカメラから外れてくれんか?

 幸いにもおばちゃんがお土産を見に行ったタイミングでワットアルンに忍び込みノルマはクリア。だって、これから一ヶ月半もあるのに、お土産を増やしている場合ではないんですもの……おほほ。

 とまぁ、このように様々な枷を(自分達で勝手に)負いながらボクらは世界旅行してるってわけよ。

 まったく、感謝しろよ社長。

 

 1カ国目、タイはバンコクに関してのレポはこんな感じで……え?この記事に観光に関する情報がなにも出てこないって?

 いいじゃん、別に。そのへんはうまいことニコライさんの動画で補完してもらってさ。分業ってやつよ。多分。

 そういえば、2日目以外はツアー、誰とも一緒にならなかったね、やっぱりGWも終わって、かつ、サマーバケーション前だからどこも空いてんだな。

 

 ではまた、次の国で会いましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました